ぶっちー、
こんにちは。
はるおです。
長崎に生活拠点を移し、そろそろ3週間が経ちます。
先日、知らぬ間に加入していた町内会の「総会」なるイベントに出席したんだけど、
- 会員の推定平均年齢68歳
- 旧会長(77歳)から新会長(60歳)への「若返り」発表
- 全85戸が9班にわかれており、会費や自治に対する意見などは「班長」が取りまとめる
- 総会では「公民館の修繕費用をどうする?」「慰霊祭や夏祭りは(高齢化に伴い)廃止すべきか否か?」みたいな議論が延々と続く
- 俺は知らぬ間に「青壮年部」の役員に就任
- 午後7時に始まった総会が9時にようやく終わって家に帰ろうと思ったら、お隣さん(推定年齢85歳男性)に「一杯どうや?」と誘われる
てな感じで、これを「田舎の洗礼」と言ってよければ、モロに洗礼を受けました。
長崎のローカルテレビでは、天気予報で九州各地の天気と併せて、済州島の天気が紹介されます。
改めて地図を見ると、韓国めちゃ近い(東京よりもソウルの方が近い)。
大陸から黄砂は飛んでくるし、日の出も日の入りも東京より40分遅い。
佐世保出身の作家、村上龍はデビュー作「限りなく透明に近いブルー」に続く2作目に「海の向こうで戦争が始まる」という題の小説を書いたけど、長崎では「海の向こう」に巨大なユーラシア大陸があって、そこで多くの人々が生きているのだという現実を少しだけ身近に感じることができる、そんな気がします。
さて、そんなわけで、というわけでも別にないんだけど先月、15年ぶりくらいにソウルへ行ってきました(まだ長崎へ引っ越す前だったので、成田から)。
ショーヘイ・オータニのドジャースデビュー戦がソウルで行われるということで、「大谷翔平の社会学」最後の隠し味になるようなネタを何か拾えたら、と思っていたんだけど、行く直前に担当編集者の遠藤さんから「せっかく行くならSPA!に何か書いてよ!本のプロモーションにもなるしさ」と言われ、書きましたよ、10年ぶりくらいにSPA!に。
日本メディアが伝えた「韓国で大谷フィーバー」は本当か? ソウルの街で覚えた違和感 https://t.co/5soBWwqNr1 #SPA!
— 週刊SPA!・日刊SPA! (@weekly_SPA) March 25, 2024
日本人選手の通訳は「パシリ」。大谷と水原氏の関係、ギャンブル依存症につきまとう「嘘」 https://t.co/bpLP0qPZGd #SPA!
— 週刊SPA!・日刊SPA! (@weekly_SPA) March 29, 2024
ただ何となくフラフラ旅をするより、「何か書くぞ!」というミッションを持って旅をした方が、自分の場合は旅の強度が高まるというかテンションが上がる気がします。
別に執筆じゃなくてもいいんだけど、何かしら仕事があった方がメリハリが出るというか。
遊んで暮らすだけの貴族にはなれそうにないなあ、残念ながら。




そうそう、このソウル旅行は俺にとって、約4年半ぶりの「日本脱出」だったのよ。
2019年の夏にマレーシアとスリランカに行って以来、約4年半、日本から一歩も出なかった。
コロナ禍というより娘たちの爆誕で、気軽に遠出するのが難しい身分になったのよね。
国内旅行もほとんどしてないし、そもそも家にいる時間がめちゃ長くなった。
これはもちろん、リモートワークによって会社に行かなくなった影響も大きいけど。
とにかくここ4年くらい、自分史上もっとも長い「引きこもり」期間だった気がする。
あー、こんな狭苦しい場所を飛び出してちょっくらモーリシャスでも行きたいなー、とか思うことも多々あったんだけど、おそらく引きこもってなければ「大谷翔平の社会学」は書かなかっただろうな。
1年半もかけてコツコツ原稿を書くなんていう地味な作業、毎日がリア充だったらやらないと思う(そもそもMLBもそんなに見ないと思う)。
日々の生活が地味で退屈だからこそ、その生活を何とかスパイスアップしようとコツコツ書いたんじゃないかな。
あと、サラリーマン稼業だけじゃキャリアの先が知れてる(し退屈だ)から、もうひとつの仕事を何とか形にしたいな、と思っていたのもある。
結果的にだけど、サラリーマンとして安定収入を得ていたからこそ「大谷翔平の社会学」はお金や時間を気にせず自由気ままに書けたし、内容もそこそこ尖った(社会に迎合しない)ものになったと思う。
そして「大谷翔平の社会学」を書いたからこそ、最近はサラリーマン稼業の方も周囲の目を良い意味で気にせず、以前よりも自由気ままに働ける(その結果として成果も出る)ようになったと思う。
これぞシナジーだ!と、部署を横断する会議で馬鹿の一つ覚えみたいに「シナジー」という言葉を連発する「シナジーおじさん」たちに言いたい!
会社の同僚に「大谷翔平の社会学」の話をしたら、苦笑混じりに「どっちが本業ですか?」と言われたけど、自分的には執筆の方が「本業」だよね。
もちろん生活の糧はサラリーマン稼業だけど、それは第一にお金のために(自分と家族を養うために)やっている、いわばアルバイト感覚の「副業」。
一方の執筆は、お金を稼ぐことを第一の目的としていない、いわば自分の社会的使命を自分なりに果たそうとしている「本業」。
採算は度外視して、自分にしかできないことは何か?を出発点にしてやっている活動というか(まあ実際は、好きなことをやっているというだけなんだけど)。
誤解されたくないのは、サラリーマン稼業はアルバイト感覚の「副業」だからテキトーにやってるわけじゃなくて、むしろ「副業」だからこそお金と時間にはシビアにちゃんとやってるよ、ということ。
サラリーマン稼業は最近、少し裁量が大きくなって(バイトリーダーみたいな立場になって)ようやく楽しくもなってきた。
先日、長崎のコワーキングスペースで職業を聞かれて「サラリーマン兼物書き」と答えたんだけど、この肩書(?)が今、自分的には一番しっくりきます。
会社名とか業界とか職種は大して重要じゃなくて、まず何よりも「サラリーマン」であり、そして「物書き」でもあるという意識。
「物書き」を堂々と名乗れるようになった(気がする)からこそ、「サラリーマン」と名乗ることが恥ずかしくなくなったのかな、とも思います。
(以前は「サラリーマン」であることを屈辱だと捉えていました)
「僕ですか?いや、しがないサラリーマンですよ。あ、物書きもやってます。これ著書です、どうぞ」
大谷翔平といえば「二刀流」だけど、俺もこの本を書くことによって「二刀流」をようやくそれなりの形にしたわけだ(キ、キマった……!)
ついでに言うと長崎に住み始めたことも、自分的にはライフスタイルというか生活モードの「二刀流」という感覚があります。
海と山に囲まれた地方都市の、庭に八朔がなる一軒家で暮らすスローライフ(死語?)と、一方でグローバル&バーチャルな環境で日々仕事をしながら、ときどき東京のオフィス街を足早に歩くようなファストライフ(?)を両立させるみたいな。
「郊外に暮らして都心で働く」という一般的な生活様式を、もう少しエクストリームにしてみたような感覚です。
町内会の「総会」に出席した後にイタリアの同僚たちとオンライン会議をする、みたいな守備範囲の広さとモードチェンジの素早さを持っていたい。
【新刊発売】編集担当した新書『大谷翔平の社会学』(内野宗治著)の見本が出来上がりました!今の日米での #大谷翔平 #shohei #otani ブームがわかる「必携の書」。カバーはドジャーブルー⚾️早くも話題になっています!発売は4/24(水)。ご予約はこちらまで👉https://t.co/PymoMAfwGt pic.twitter.com/WWXETtSmur
— NAOYA ENDO(編集者) (@endo_708) April 16, 2024
著者は実感ゼロですが、ありがたいことに発売前から話題になっているようです!
出版社の力、恐るべし。
では、今日はこの辺で。
ララバイ
2024.4.18
はるるん
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