はるくん、こんにちは。
インドの記事、わりと早い段階で嘘だと気付きました。
私が最後まで騙されることを期待していたかもしれないけど、ごめんなさい。
あなたが問題を解決しようと自ら動く姿が全然想像できなくて。
シロダーラは私も受けたよ。幻覚も過去の記憶も見ず、ただただ気持ちよくて寝落ちしてしまいました。
スリランカまた行きたいけど、しばらく長い休み取れなそうだし、またニートになったら行こうかな。
さて、ICU入学から17年という話だけど。
この数字がエイプリルフールの嘘じゃないことに、軽く戦慄を覚えました。
17年前と今で変わったことといえば…
…というような返事がぶっちーから来るかなと思っていたけど、来なかったので今日も元気に連投します。
どうも、はるおです。
先週はバンガロールの食堂を妄想しながら、16年前にもりおくんと自動車免許合宿に行った時、あまりに暇すぎて「お互い武勇伝っぽい話をして、どこまでが実話でどこからが嘘か当てよう」っていうゲームやったのを思い出しました。
「その昔、スペインで闘牛を見に行ったときの話なんだけどさ…」
「はい嘘!」
「いや、マジマジ、これは本当」
「OK、続きを聞こう」
みたいな。
よほど暇だったんだろうね(でも楽しそう)。
さて、今週から何回かにわけて、仕事の話を書こうと思います。
ライフワークとしての広義での「仕事」ではなく、ライスワークとしての賃労働、サラリーマン稼業についてです。
今年始めに転職して、3ヶ月が経ちました。
今の勤務先は、世界100ヵ国以上にオフィスがある、絵に描いたような超グローバル企業です。
本社はニューヨーク、全世界で5万人以上の社員がいて、ウクライナにも100人以上の社員がいる(ロシアにも)。
日本のオフィスは70人くらいで、そのうち4割くらいが外国人。
マネジメントレベルの上層部になると、外国人比率が8割くらいに増える。
組織のヒエラルキー上位、重要な意思決定を行うポジションは外国人が占めていて、現場レベルではローカルスタッフ(日本人)が中心となって働いている。
まあ、外資系企業ではよくあると思われる植民地的構造の組織です。
植民地の管理責任者は「本国」への報告義務があるように、日本オフィスの上層部にいる人たちにもどこか別の国に「上司」がいて、その「上司」にもまたどこか別の国に「上司」がいて…といった具合に、大企業らしく何層ものレイヤーがある。
会社のイントラネットを開くと、その中に”Hierarchy”というページがあり、そこには「自分の上に誰がいて、その上に誰がいて、その上に誰がいて…」という組織ピラミッドがビジュアル化されてて、3回くらい縦スクロールしないと全部は見れないくらい縦に長い。
まさに階層社会という感じで、そんな中で俺は日本というローカルオフィスの末端で働くローカルスタッフというわけです。
四半期に一度、Townhallと呼ばれる全社会議があるんだけど、これが全部で4種類あるのね。
・日本オフィスの全社会議
・北アジア(日本、韓国、台湾、中国、香港)の全社会議
・APAC(東南アジアやオーストラリア含む)の全社会議
・グローバル(全世界)の全社会議
北アジアやAPACの会議では、国ごとの売上や利益や成長率を記した一覧表を見せられて、各国の状況が説明されるわけだけど、その中で日本がどう見られているかというと…
「アジアの中ではそこそこの市場規模があるけど、独自の文化や前近代的な商習慣があり、言語の壁もあるためグローバルスタンダートな経営手法がなかなか定着せず、その結果として生産性や効率性が低い、やや厄介な国」
という感じだと思う。
実際に今、結構ラディカルな組織改編がトップダウンで行われていて、日本をなんとかしてグローバルスタンダードに近づけよう、という動きがあるように見える。
たかが一企業の事例なんだけど、今働いている環境は「アメリカを中心としたネオリベ的なグローバル資本主義社会の縮図」という感じがします。
21世紀において最も支配的なイデオロギーであるグローバル資本主義に覆い尽くされた今日の世界、そのミニチュア版みたいな。
アメリカが世界中に「民主主義」を押し付けて戦争の原因を作っているように、この会社は世界中に「データを活用した合理的な経営手法」を押し付けることで儲けている。
で、このイデオロギーで世界中を覆い尽くしたい人たちは、なかなかイデオロギーが定着しない日本という国を「お荷物」と見做している節がある。
例えば俺の前職は、まあ割とドメスティックな日本企業で(社長はハーバード卒だったけど)、その中で俺は国際的な仕事に関わっていたけれど、その環境では「世界における日本のポジショニング」に対する認識が全然違ったのよ。
端的に言うと「日本すごい」「日本は進んでいる」という認識をベースに物事を考えている人が周囲には多かった。
前職は医療という分野で、かつアジアや中東のいわゆる「新興国」と関わる仕事が多かったことも理由だと思うけど、日本は「優れた医療技術やシステムを、諸外国に教えてあげる立場である」とされることが多かった。
されることが多かった、と言うのは、例えば厚労省の官僚が作った資料を読むと「日本は欧米より格下だが、他のアジア諸国よりは格上である」という20世紀的な世界認識が文面から滲み出ていたり、製薬会社のIR資料には「発展途上国の医療エコシステム改善に貢献する」みたいなことが書いてある。
まあ、だいぶ上から目線というか「アジアの中では日本がナンバーワン」と思っているおじさんたちが多いことに俺は驚いた。
前職では国際的な仕事と言っても、その多くは霞ヶ関(中央官庁)や日本の大企業から依頼される仕事で、ちょっと海外に行って調査をするとか、日本人駐在員向けのクリニックを作るとかだったんだよね。
グローバルマーケットでビジネスをやっていたわけでは全然なく、あくまでも日本式システムの中で、日本村のルール下で「国際的な仕事」をやるにとどまっていた。
ある意味、日本国内でビジネスをする以上にドメスティックな仕事だったかもしれない。
日本のエリート層、エスタブリッシュメント(支配階級)にある人たちが絶対安全な場所から外国を「視察」して、色々わかった気になって満足して終わり、というプロセスのお手伝いというか。
世界中のプレーヤーたちと同じ土俵で競争するみたいなことは全くなかった。
その点、今の仕事はまさにグローバル資本主義における自由競争という感じで、良くも悪くも日本式システムの枠組みから外れて、国際標準のルールに則って働くことを求められる。
正確には、今も半分くらいは日本式システムにどっぷり浸かっていて(お客さんは日本の大企業だから)、残り半分はグローバルスタンダードに準ずるという感じだけどね。
日本式システムの中で働くのは前職でもうウンザリしているし、もっと国際的な環境で働きたいと思ったのが主な転職理由だったから、今の職場環境は望み通りと言えばその通り。
一方で、じゃあグローバル資本主義的なシステムが最高かというと全くそうは思えなくて、これはブルシットだろと思うことが山ほどあるわけです。
次回に続きます(たぶん)。
2022.04.08
はるお
インドの記事、わりと早い段階で嘘だと気付きました。
私が最後まで騙されることを期待していたかもしれないけど、ごめんなさい。
あなたが問題を解決しようと自ら動く姿が全然想像できなくて。
シロダーラは私も受けたよ。幻覚も過去の記憶も見ず、ただただ気持ちよくて寝落ちしてしまいました。
スリランカまた行きたいけど、しばらく長い休み取れなそうだし、またニートになったら行こうかな。
さて、ICU入学から17年という話だけど。
この数字がエイプリルフールの嘘じゃないことに、軽く戦慄を覚えました。
17年前と今で変わったことといえば…
…というような返事がぶっちーから来るかなと思っていたけど、来なかったので今日も元気に連投します。
どうも、はるおです。
先週はバンガロールの食堂を妄想しながら、16年前にもりおくんと自動車免許合宿に行った時、あまりに暇すぎて「お互い武勇伝っぽい話をして、どこまでが実話でどこからが嘘か当てよう」っていうゲームやったのを思い出しました。
「その昔、スペインで闘牛を見に行ったときの話なんだけどさ…」
「はい嘘!」
「いや、マジマジ、これは本当」
「OK、続きを聞こう」
みたいな。
よほど暇だったんだろうね(でも楽しそう)。
さて、今週から何回かにわけて、仕事の話を書こうと思います。
ライフワークとしての広義での「仕事」ではなく、ライスワークとしての賃労働、サラリーマン稼業についてです。
今年始めに転職して、3ヶ月が経ちました。
今の勤務先は、世界100ヵ国以上にオフィスがある、絵に描いたような超グローバル企業です。
本社はニューヨーク、全世界で5万人以上の社員がいて、ウクライナにも100人以上の社員がいる(ロシアにも)。
日本のオフィスは70人くらいで、そのうち4割くらいが外国人。
マネジメントレベルの上層部になると、外国人比率が8割くらいに増える。
組織のヒエラルキー上位、重要な意思決定を行うポジションは外国人が占めていて、現場レベルではローカルスタッフ(日本人)が中心となって働いている。
まあ、外資系企業ではよくあると思われる植民地的構造の組織です。
植民地の管理責任者は「本国」への報告義務があるように、日本オフィスの上層部にいる人たちにもどこか別の国に「上司」がいて、その「上司」にもまたどこか別の国に「上司」がいて…といった具合に、大企業らしく何層ものレイヤーがある。
会社のイントラネットを開くと、その中に”Hierarchy”というページがあり、そこには「自分の上に誰がいて、その上に誰がいて、その上に誰がいて…」という組織ピラミッドがビジュアル化されてて、3回くらい縦スクロールしないと全部は見れないくらい縦に長い。
まさに階層社会という感じで、そんな中で俺は日本というローカルオフィスの末端で働くローカルスタッフというわけです。
四半期に一度、Townhallと呼ばれる全社会議があるんだけど、これが全部で4種類あるのね。
・日本オフィスの全社会議
・北アジア(日本、韓国、台湾、中国、香港)の全社会議
・APAC(東南アジアやオーストラリア含む)の全社会議
・グローバル(全世界)の全社会議
北アジアやAPACの会議では、国ごとの売上や利益や成長率を記した一覧表を見せられて、各国の状況が説明されるわけだけど、その中で日本がどう見られているかというと…
「アジアの中ではそこそこの市場規模があるけど、独自の文化や前近代的な商習慣があり、言語の壁もあるためグローバルスタンダートな経営手法がなかなか定着せず、その結果として生産性や効率性が低い、やや厄介な国」
という感じだと思う。
実際に今、結構ラディカルな組織改編がトップダウンで行われていて、日本をなんとかしてグローバルスタンダードに近づけよう、という動きがあるように見える。
たかが一企業の事例なんだけど、今働いている環境は「アメリカを中心としたネオリベ的なグローバル資本主義社会の縮図」という感じがします。
21世紀において最も支配的なイデオロギーであるグローバル資本主義に覆い尽くされた今日の世界、そのミニチュア版みたいな。
アメリカが世界中に「民主主義」を押し付けて戦争の原因を作っているように、この会社は世界中に「データを活用した合理的な経営手法」を押し付けることで儲けている。
で、このイデオロギーで世界中を覆い尽くしたい人たちは、なかなかイデオロギーが定着しない日本という国を「お荷物」と見做している節がある。
例えば俺の前職は、まあ割とドメスティックな日本企業で(社長はハーバード卒だったけど)、その中で俺は国際的な仕事に関わっていたけれど、その環境では「世界における日本のポジショニング」に対する認識が全然違ったのよ。
端的に言うと「日本すごい」「日本は進んでいる」という認識をベースに物事を考えている人が周囲には多かった。
前職は医療という分野で、かつアジアや中東のいわゆる「新興国」と関わる仕事が多かったことも理由だと思うけど、日本は「優れた医療技術やシステムを、諸外国に教えてあげる立場である」とされることが多かった。
されることが多かった、と言うのは、例えば厚労省の官僚が作った資料を読むと「日本は欧米より格下だが、他のアジア諸国よりは格上である」という20世紀的な世界認識が文面から滲み出ていたり、製薬会社のIR資料には「発展途上国の医療エコシステム改善に貢献する」みたいなことが書いてある。
まあ、だいぶ上から目線というか「アジアの中では日本がナンバーワン」と思っているおじさんたちが多いことに俺は驚いた。
前職では国際的な仕事と言っても、その多くは霞ヶ関(中央官庁)や日本の大企業から依頼される仕事で、ちょっと海外に行って調査をするとか、日本人駐在員向けのクリニックを作るとかだったんだよね。
グローバルマーケットでビジネスをやっていたわけでは全然なく、あくまでも日本式システムの中で、日本村のルール下で「国際的な仕事」をやるにとどまっていた。
ある意味、日本国内でビジネスをする以上にドメスティックな仕事だったかもしれない。
日本のエリート層、エスタブリッシュメント(支配階級)にある人たちが絶対安全な場所から外国を「視察」して、色々わかった気になって満足して終わり、というプロセスのお手伝いというか。
世界中のプレーヤーたちと同じ土俵で競争するみたいなことは全くなかった。
その点、今の仕事はまさにグローバル資本主義における自由競争という感じで、良くも悪くも日本式システムの枠組みから外れて、国際標準のルールに則って働くことを求められる。
正確には、今も半分くらいは日本式システムにどっぷり浸かっていて(お客さんは日本の大企業だから)、残り半分はグローバルスタンダードに準ずるという感じだけどね。
日本式システムの中で働くのは前職でもうウンザリしているし、もっと国際的な環境で働きたいと思ったのが主な転職理由だったから、今の職場環境は望み通りと言えばその通り。
一方で、じゃあグローバル資本主義的なシステムが最高かというと全くそうは思えなくて、これはブルシットだろと思うことが山ほどあるわけです。
次回に続きます(たぶん)。
2022.04.08
はるお
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