ぶっちー、

ニーハオ。
先日の新年会は楽しかったね。
ティムに「(ザ・マインドの)ベストプレーヤーはハルだと思う」と言われたのが、実は結構嬉しかった俺です。
目指せ、マインドリーダー(違うか)。



さて、先日の新年会でティムから受けた質問について、改めて考えてみました。

“What do you like the most about your wife?”
“What do you think your wife likes the most about you?”

だったっけ?
ちょっとニュアンスが違ったかもしれないけど「奥さんの好きなところは?」「奥さんはあなたの何が好きだと思う?」という話だよね。

実は以前にも、同じような質問を別の人から受けたことがあるんだけど、この質問、どうも苦手なんだよね。
というのも、何かしら答えようとしたら答えられるけど、何と答えても自分的にしっくりこない気がして、答えにくい。
例えば「優しいところが好き」と言ったら、それが唯一の最重要事項のように聞こえてしまって、それはちょっと違う気がするというか。
思いつく限りの要素を全部リストアップできるなら良いんだけど、それを口頭でやるのは難しいし、あるいは色々な要素を統合、抽象化して「端的に言うと、これだ!」というキラーワードをコピーライティング的に提示できたら良いのかもしれないけど、それも少し乱暴な気がして抵抗がある。
その結果、何と言えば良いのかわからなくなって、先日は「(奥さんと一緒にいると)自分が自然体でいられる」という何とも面白くない回答をしたけど、これも改めて考えると正しくない。
確かに、家の中をパンツ一丁で歩き回れる的な意味では自然体でいられるけど、生活態度とか言動は必ずしも自然体ではいられない。
俺が本当に「自然体」でいたら毎日昼まで寝て、部屋の掃除もロクな食事もせず、自分の好きなことだけしてるただのダメ人間になっちゃうし、奥さんが身近にいることによって「自然体」ではなく「人としてあるべき姿」に近づき、何とか社会生活を営めていると思う。
俺が堕落しそうになったら喝を入れてくれて、俺が身勝手な言動をしていたら注意してくれる。
そんな風にして、むしろ俺を「自然体」ではいさせてくれないことの方が”what I like the most about my wife”かもしれない。
もっとも、これは奥さんの個人的なパーソナリティに起因するものではなくて、ダメ人間が他人と一緒に生活することの一般的な効用ではないかと思うけどね。

…という前置きをした上で、せっかくの機会なので「奥さんの好きなところ」を思いつく限りリストアップしてみます(口頭では難しいけど、書き出すことはできるから)。

  • 料理好き、料理上手
  • たまに俺が作るご飯も「美味しい」と言って食べてくれる
  • お金の使い方が上手。身の丈に合った「浪費」はするけど、記号的な「消費」はしない
  • 真面目で努力家
  • 仕事が丁寧
  • 周囲の人々への細やかな気配りができる
  • 良識があり、礼節をものすごく大事にする(俺が礼節を欠いているときは厳しく注意してくれる)
  • 愛情深く、傷ついている人や悲しんでいる人に深く寄り添うことができる
  • 度胸とバイタリティがある。愛嬌もある。タフだけどチャーミング
  • アスリート的な気質と芸術家的な感性を持ち合わせている(元ダンサー)
  • 食べ物の好き嫌いが小学生並みに激しい分、他人の好き嫌いにも割と寛容
  • 小学生みたいなギャグを言い合える
  • ドラゴンボールの名台詞、名シーンを俺より覚えている
  • アメリカ育ちだけど日本人の心を(おそらく大半の日本人より)持っている
  • でも「これはおかしい」と思うことは、アメリカ人的にハッキリと主張する
  • DIY精神を持ったアイデアマン(料理をしている時や、娘のオモチャを工作している時、家の改造をしている姿などを見ると感じる)
  • 家具や食器など日常生活の道具に独自の美意識を持っていて、かつ道具を大切にする
  • 他愛もない平凡な日常をちゃんと楽しめる。安易な外的刺激に逃げ込まない
  • 基本的に情緒が安定していて、穏やか
  • (多分俺よりも)人見知りだけど、社会性、社交性はある
  • たとえ夫婦や家族や親しい友人でも、相手の領域に土足で踏み込まない節度を持っている。近しい人間のプライバシーを尊重する
  • 働き者だけど、ダラダラするときは思いきりダラダラする
  • 血液検査結果に基づく必要な栄養素のサプリメントを摂りながら、チートスを食べて三ツ矢サイダーを飲んでいる
  • 人前でスマホをいじらない(意識的に心がけている)
  • 愛想が良い、大体いつもニコニコしてる
  • 怒ると怖いけど、長引かない
  • 俺の気まぐれかつ無茶苦茶な提案や行動に、かなり付き合ってくれる(諦めてくれる)
  • 俺の家族(実家や親族)に何か問題があったら、俺以上に真剣に考えて、小さなことでも自分ができることをやる
  • とにかく時間を守る(人の時間を大切に扱う)
  • 計画性が高く、段取りが上手い(というかよく考えている)
  • 一人で南米の夜行バスに乗れる
  • 服装がシンプルでカジュアルだけど品がある。色は黒とかグレーが多くてメンズのSサイズとかも多いから、俺も借りて着れる(ラッキー)
  • 好きな映画を何十回も見たり、好きな小説を何十回も読んだりする
  • たまに狂ったようにスマホでマニアックな謎の漫画を読んでいる
  • 食べ方が綺麗(意識的に心がけている)
  • 姿勢が良い(意識的に心がけている)
  • 忍耐力がある、辛抱強い
  • クイアアイとかフラーハウスとか、俺があまり興味持てないドラマをたまに延々と観てる
  • たまに狂ったように数独やスマホゲームをやっている
  • 俺のことを「夫」というより「親友」だと思っている(多分ね)
  • 手先は器用だけど、生き様は結構不器用
  • 言葉を大切にする。バイリンガルだけど、まず日本語を大切にする
  • 以上のように良いところは色々あるけど、ダメなところやあまり好きになれないところもちゃんとある

ふう、意外と結構出てくるね。
あまり考えたことのないことを考えるキッカケをくれてありがとう、とティムにお伝えください。

重要なのは、これらの「好きなところ」があるから奥さんが好き、という話ではなくて、あくまでも彼女という人間が総体として好きなのであって、仮にこれらの要素がなくなっても嫌いになるわけではない、ということ。
「好き」という感情は突き詰めると「何となく好き」としか言えない気がして、「何となく好き」な人がやることなすことは基本的に好きになれるというか。
例えば、もし別の人(ぶっちーとかハヤトとか、あるいは両親とか)の「好きなところ」を挙げろと言われたら、先ほど羅列した内容とは正反対の要素が「好きなところ」になる可能性もある。
自分にとって明確な「好き」の基準や要素があるわけじゃなくて、まず「何となく好き」という感情があって、後付けで「例えばこういうところ」という要素を見出しているんだと思う。

あと、「奥さんの好きなところ」を書き出してみて思ったのは、「好きなところ」というより「尊敬しているところ」や「感謝していること」「助かっていること」と言った方が近いものが結構あるね。
これはやっぱり、生計を共にしながら一緒に暮らす中で、情緒的な「好き」よりも現実的な「助かる」「ありがたい」の方が重要になっているんだと思う。
中高生の恋愛ならともかく、大人のパートナーシップにおいては「好き」よりも「尊敬」「感謝」の方が遥かに大事だと俺は思っていて、一緒に暮らしているうちに自然とそういう気持ちが芽生えてきた俺はラッキーなのかもしれない(もちろん、そう思えない時もあるけどね)。
結婚やパートナーシップの形は人それぞれだと思うけど、自分の場合、結婚はある種の「起業」であり、奥さんは「頼れるビジネスパートナー」という感覚が強い気がする。
家計の管理や将来の計画は「経営」だし、子育ては長期的かつ壮大な「事業」だし、お互いが持つリソースを使って色々試しながら何とかやりくりしているというか。

それから「奥さんの好きなところは何ですか?」という質問の背景には「好きだから一緒にいるんだよね?」という前提があるように思うんだけど、俺は必ずしも「好きだから一緒にいる(好きじゃなかったら一緒にいない)」という話ではないと思うのよ。
例えば、子供がいる人に向かって「あなたは自分の子供のどんなところが好き?」ってあまり訊かないじゃない?
それはきっと、多くの人が「親が自分の子供を好きなのは当たり前で、理由なんていらない」と思ってるからだよね。
あるいは、自分の子供や親を好きと思えない時もあるかもしれないけど、だからといって親子の縁を切るという話にはならず、物理的、精神的な距離感は調整しながらも一緒に生きていくわけだよね。
でも、パートナーや配偶者になると「パートナーだから好き」という説明はあまり説得力がなくて「好きだからパートナーとして選択した」「好きだからパートナーシップを結んでいる」というロジックが一般的になる。
さらに言うと「好きじゃなくなったらパートナーシップを解消しても良い」と考える人も少なからずいる(というか、マスメディアや資本主義社会がそういう考えを流布していると思う)。
生まれてくる子供や自分の両親は選べないけど、パートナーは選択可能なものであって、そこには「選択の自由」があると現代社会では見なされている。

もちろん、最初はある程度「好き」じゃないとパートナーにならないと思うけど、パートナーになってそれなりに時間が経つと「一緒にいる理由」はだんだん曖昧になってきて、好き嫌いよりも「パートナーである」という事実が先立つようになる。
ときどき「自分は一体なぜ、この人と一緒にいるんだろう?」という考えが頭を過ぎるかもしれない。
そんな時、例えば「この人のことを好きかどうかは正直よくわからないけど、とりあえず毎日美味しいご飯を作ってくれて助かってる」とか「生活費を折半できて経済的に助かっている」とかいう現実的、物理的な利点は、かなり強力な「一緒にいる理由」になると思うのよ。
どんなに美しい言葉で愛を語っても、「美味しいご飯を食べたい」とか「お腹が空いて死にそう」といった生身の肉体が感じる欲望や切迫感には敵わないと思う。
「好き」という情緒的な概念によって結びついている人間関係ほど脆いものはないと俺は思っていて、それよりも食べ物とか住まいとか、人間が生きていく上で物理的に必要なものに根ざした相互扶助関係こそ強固な気がする。
俺が結婚して良かったなと思うのは、まず第一に食生活が豊かになったことと、経済的な余裕ができたことなんだよね(共働きによる世帯収入増、生活費の折半による大幅なコストダウン、そして奥さんの家計管理能力に寄るところが大きい)。
以前よりも日々を健康的に過ごせるようになり、目先のお金を心配することもなくなり、それに伴い夫婦共に多少の社会的上昇も果たし、生活に余裕があるからブログを書いたりもできる。
世の中には「お金がないから結婚できない」と思っている人が特に男には多いけど、あくまでも自分の経験ベースで話をすると、お金がない人こそ結婚した方が良いと思うんだよ。
仮に今、俺が独身になっても一応生きていけるとは思うけど、たぶん今ほど生活に余裕は持てないし、お金の心配をすることが増えると思う。
まあ、もしかしたら奥さんは結構大変な思いをしていて、俺の分までお金の心配をしているかもしれないけどさ。笑

ちなみに、「ティムにこんな質問をされて、俺こんなことを考えたんだけどさ」という話を奥さんにしたら、彼女には、

「その質問はたぶん、(ティムにとって見ず知らずの)私という人間について訊いてるんじゃなくて、ハルくんがどんな人間かを知りたかったんじゃない?その質問に対してハルくんがどう答えるか、どんな答え方をする人間なのか、に興味があったんじゃない?」

と、言われました。
なるほどな。

というわけでティム、あまり面白い回答ができなくてごめんね。
「ハルくんは、酒場でのカジュアルな質問に気の利いた回答を返せるような人間じゃなく、家に帰ってから改めて考えたことを長々とブログに書いて送りつけてくるようなクソ面倒臭い野郎だよ」とお伝えください。

ふう。

ん、ぶっちーの定点観測の話?
そうだった、ぶっちーの定点観測を整理しようと思って、この記事を書き始めたんだった。

今更ながら整理すると、ぶっちーが好きな定点観測には、

  • うるさくない
  • 時間の流れがスロー
  • 人の動きが少ない

といった要素が含まれるように思ったけど、どうですか?
この3つの条件を満たすとなると、里山暮らしとか良いのかも?なんて思ったり。
ちなみに、一番気になったのは「わたしが定点観測していると思うもの」に含まれていた「SBI証券」だけどね。

それでは、今週はこの辺で。
2022年の1Qもあと少し、お互い生き延びましょう。

2022.03.25
はるお