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ハルくん、お返事どうもありがとう。

ぶっちーさ、いつも言うことがコロコロ変わるじゃん?
昨日はアレ好きって言ったのに、今日になって嫌いとか。
昨日はアレ欲しいって言ってたのに、今日になって要らないとか。
どこ行きたいとか行きたくないとか、何したいとかしたくないとか。

もうね、言ってることに全然一貫性ないし、ブレまくり。
全てブレる、ということにかけては圧倒的にブレない。
あなたが私のことをどう思っているのか、とってもよく分かった。

自分で振り返ってみても、時々あるの。
ーーーパリで着物屋さんやりたいって言ってたのは、なんだったんだろう
とか
ーーーあれ?建築の勉強してなかったっけ?
とか。
ひとにも言われるけれど、自分でも気付いてはおります。

自分からスピードの話をしておいて、返事までしっかりもらっておいてなんなのだけど、
今日はあまりスピード感についての話をする気分じゃなくて…。
前回の記事でハルくんが言ってた
XとYに入力された数字によって出力されるZ値が異なってるだけで、
全部まるごとわたしなのだというお話をしようかな。

谷川俊太郎も言ってたんだけどね。
彼ほどの大物になっても、自分の中で「詩人格」と「俗人格」なるものが存在しているんだって。
彼は今、
<経済的にも余裕がある ∩ すっごく詩を書くのが楽しい>
っていう状況で、各人格50%ずつくらいなんだって。
若い頃は、生活していくために、もっと俗人格が多かったらしいんだけどさ。
83歳で、詩人で、めちゃくちゃベテランで、
詩人格50%ってヤバくない? 少なくない?

僕としては、何かクリエイティブな仕事をしてる人は、それ以外のこと考えちゃいけない、
24時間そのことだけを見据えて生活してると思ってたのね。
知見の深さと広さを可視化したら  l の形になるものだと思い込んでた。
狭くて深いプロフェッショナル・フォルム。

でも、どうやら違うんだよ。

谷川俊太郎は「小澤征爾の音楽を聴く会」に賛同したり、
音楽イベントに出席したり、
音楽も好きなんだと思う。
詩も書くけど本気出せば曲も作れるんじゃないかな。
(多分作らないと思うけど。)
加えて彼は 朗読もするから、ボーカルもいけるね。
彼の知見を表現したら T になるんだろうな。
プロフェッショナルで、同時に、ジェネラル。
彼は詩以外にもできることがいっぱいあるから、
カミクラゲみたいになるかもね。

谷川俊太郎だけじゃなくて。
例えば、
フランク・ロイド・ライトっていうクライアントの奥方と駆け落ちした
ぶっ飛んでる建築家が居るんだけどさ、
(ちなみに彼は建築の勉強をしたら最初の
 1か月以内に出てくるくらいの巨匠で、
 日本だと、帝国ホテルとか、自由学園明日館に携わっている)
彼は浮世絵の転売で生計を立ててた時期もあるくらい浮世絵マニアだし。
時代問わず、そういう生き方って許されてるんだよね。

多分わたしは、「何の仕事してるの?」って聞かれたときに、
「校正の仕事でお金もらってます」って答えるのが気に入ってないの。
だからきっとわたし、校正人格1%で俗人格が99%くらい。

何か自分でも気に入る<何者>かになりたいし
それは多分なにかモノを作ることなんだけど、
それはどうやら建築ではなくて、それはまた雑誌でもなくて、
次は何を試そうかしら。

2015.05.13
ぶっち